農地集約を狙って耕作放棄地への課税強化をするという記事を見て憤りをを感じています。
私は長崎県の壱岐という島の出身ですが、その島で戦後70年専業農家として働き続けてきたおばあちゃんが「終戦後食料事情が厳しいので米を増産するように言われて農協から借金をして畑を田んぼにして米を作るようにしたら、日本人の主食の習慣が変わってきて米を作りすぎるとなってくる。みかんを作るようにと言われてみかんの木を植え、やっとみかんが採れるようになると過剰となり生産を調整するように言われる。牛を飼うように言われ、牛を育てるようにしたら、輸入関税の引下げで海外の肉との競争が厳しくなる。やはり昔からやっていた米作りしかないかと思うと、米が政府の倉庫に入りきらないほど生産過剰になっているので米は作っちゃいかんと言われて今は田んぼが荒地になってしまっている。国から言われる通りにやってきたが全て騙されているような気がする。と言って嘆かれていた。
耕作放棄地が所有者の身勝手な管理の仕方の結果のように言われるのには私も腹が立つ思いです。それでも制度として課税強化がされるとなったら、その課税の負担を少しでも少なくしていく方法を考えて土地所有の方の手助けをするのが私どもの役目であると思っています。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘