現在娘さんの家に娘さんと一緒にお住いの83歳のご婦人ですが、以前に住まわれていた古くなった住居を持っていると、固定資産税等の負担だけでなく管理も大変なので買って下さる方があったので処分しました。ということで今年3月に確定申告をされました。あまり大きな譲渡ではありませんでしたが亡くなられた御主人が昔から持たれていた宅地に建てられた住居でしたので取得費を売却価格の5%しか控除できず、また居住しなくなって5年も経過していましたので居住用財産の譲渡所得の課税の特例も使えず譲渡所得が500万円余り出てしまいました。
自分はもう何年も所得といったらわずかな国民年金だけで、娘の扶養になっているため税金など考えてもなかったのに住民税がこんなに沢山かかってきています。住民税は仕方ないと思うのですが、医療保険の自己負担が1割から急に3割になったのは大変です。いつまで3割なのでしょうか、というご相談でした。
来年7月31日までは3割ですが、8月1日からは今年の所得によりますので1割に戻るはずです。と伝えるとほっとされていました。ご高齢になると元気であっても病院通いが多くなるので心配ですよね。1年だけのこのような所得にまで医療保険制度での自己負担upが必要なのかと疑問に思ってしまいました。
喜ぶべきはずの長寿化が不安を呼び、人生のリスクのように言われる時代に私たちは生きているのです。老後資金2,000万円不足などと言われなくとも、私たちは長い人生の中で一生懸命働きこつこつと蓄えていこうとしています。今回のご婦人のように、ご夫婦で住宅ローンで取得し、ご主人が奥様に残してくださったお住まいを奥様が老後の生活資金にと処分されたものにも多額の所得税、住民税さらに医療保険での自己負担の増加は厳しいです。
長生きをする時代、幸いに健康で長生きでき財産として残したものにさらに相続税が課せられるのは大変です。
私どもは、それらの税金の負担を少しでも軽くできるように色々と工夫をしています。何でもご相談ください。
人生の夕暮れ 安心して過ごすために
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘