大阪に住む友人が私の故郷壱岐島(長崎県にある玄界灘の孤島です)の記事が載っている新聞の切り抜きを送ってくれました。そこには高校時代に修学旅行で訪れた壱岐の島を同窓生4人で33年ぶりに再訪し、さらに1年後に同窓生19名で島を訪れた際の体験記が載っていました。風光明媚なだけでなく、人情味溢れる島であるという本当に嬉しく思える記事でした。先祖が代々と永く引き継いできた壱岐の私の所有となっている田、畑、山林等を「負の不動産」などと言っていた自分の浅はかさを恥じました。
遠い大阪にもこんなに憧れを持って下さる人がおられるのだ。その憧れの”壱岐の島”に郷里を持っている。そこに不動産を持っている。永く続く先祖の墓を持っている。先祖の墓や不動産があることで、年に一回はお盆の前後に息子夫婦、内孫、私たち夫婦の6人で帰郷出来る機会を持つことが出来ている。こんな嬉しいことはないではないかという思いを深めました。
私は跡取りの長男であるのに郷里の田、畑、山林等をほったらかして出てきてしまいました。壱岐に踏み留まって郷里壱岐を守ろうとしてくださっている方がたくさんおられるのだ。何の収入にもならないのに固定資産税等の管理費がかかる負の遺産、負の不動産などと考えるのはもっての外なのです。綺麗な素晴らしい壱岐の島の環境を維持し続けようと努力してくれている島の人たちに感謝し、少しぐらいの固定資産税は喜んで払うべきでしょう。「負の不動産」などということは、今後は思ったり、言ったりしないことにします。
こんなことを思ったり、反省したりしている一人です。所有財産で色々と悩んでおられる方、ぜひ話をお聞かせください。一緒に考えていきましょう。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘