父が亡くなった後、母が一人で住んでいた家を相続しました。自分は東京に嫁いで住んでいます。母が一人で永く暮らしていた家だし、自分も高校卒業まで住んでいた思い出のつまった家なので、子供を連れて夏休み等に遊び行く場所として残しておきたいと思っていました。
ところが、空き家になってしまった家の維持管理の大変さを感じています。固定資産税の負担も大変です。台風や大雨の後の片付けも大変でした。庭の草取り、植木の剪定等、維持管理を考えると思い出だけでは持っておられないなぁと感じています。という相談でした。
奈良は住むのに本当にいい土地ですが、家族のどなたも奈良に帰ってきて住めないということでしたら空き家になっている家屋敷の売却も一つの選択となるのでしょうね。と話をさせていただきました。
このように一人で住んでおられた家とその敷地、または家の取壊し後の敷地を2019年12月31日までに売却した場合、一定の要件を満たすものであれば、譲渡所得から最高3,000万円を特別控除する制度があります。適用されるための要件は次の通りです。
(1)1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋である。
(2)相続開始直前において被相続人が単独で居住していた家屋である。
(3)譲渡の際に耐震リフォームなどを施すか、売るまでに家屋を取り壊し、相続後、住んだり貸したりしていないこと。
(4)譲渡価格は1億円を超えないこと。
(5)相続日から3年を経過する日の属する12月31日までに譲渡すること。
(6)2019年12月31日までに譲渡すること。
(7)区分所有建物登記がされている建物でないこと。
私どもの事務所では、ご相談下さる方の思いを充分にお聞きして、その方に合った最善の方法を一緒に考えさせていただくようにしています。何なりとご相談ください。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘