高齢の父が、前々から自分が亡くなった時はお前にこの不動産とこの有価証券はあげるからね。と言ってくれています。遺言書としてきちんとしたためておいてもらいたいと思うのですが、どのように書いてもらったらいいでしょうか。と相談を受けました。
公証人に書いてもらう公正証書遺言が一番心配がないと思いますが、そのような煩わしいことは嫌だとおっしゃるそうです。
公正証書遺言がだめなら、自筆で遺言ということになります。自筆での遺言では遺言書の内容を全て自筆する。作成日をきちんと記す。署名をする。遺言の内容、作成日付、遺言者の署名を全て自分で書く必要があります。遺言の記載内容は具体的に書き、曖昧な表現を使わない。不動産は登記簿謄本通りに正確に記載する。明確でない場合、遺言書による登記の移転が出来ないことがあります。土地であれば所在地、地番、地目、地積などまで詳細に記載する。預貯金は金融機関の支店名、預金の種類や口座番号まで記載する。遺言による手続きをスムーズに進める為に、出来れば遺言書で遺言執行者を指定しておく。
これらの全文を自筆することは、高齢者にとって大変負担になることもあります。この負担緩和の民法改正が今年7月に成立し、来年1月13日から施行されることになっています。その日まで待てるのであれば、自筆証書遺言は財産目録の部分に限ってですが、自筆ではなく他の方に書いてもらってもワープロにしてもよいことになりました。その添付する財産目録には各頁に署名押印が必要です。
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自筆遺言 書きやすく
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘