人口減少・高齢化の影響もあり、マンション等の住居が必要な改装がされずそのままにされていたり、空家になっていたりして、街自体が老いる街になっている所が多くあると新聞等に報道されています。
入居者がいる中古マンションを売買した時の税務申告をめぐり企業側と国税当局が税法の解釈を裁判で争っています。争点となっているのは、入居者がいる中古賃貸マンションの建物や部屋を購入し、その後に転売した取引の消費税申告についてです。
消費税は仕入時に支払った税額を売上時に受け取った税額から控除して税務署に納めるのです。今回の企業はこの考え方で中古マンションを売却した際に受け取った消費税から建物分について仕入時に支払った消費税全額を控除して消費税申告をしていたのです。これに対し国税当局は当該企業が購入してから転売までの間に入居者から家賃を得ていたことを問題視。家賃には消費税がかからない為「課税対象の仕入(建物の購入費)から非課税の売上(家賃収入)が生じている」として、控除を一部しか認めなかったそうです。
企業側は課税取り消しを求めて裁判所で国税局と係争中です。企業は「仕入の目的は建物の転売であって家賃収入は副次的なものにすぎない。過去も同じ方法で申告してきた。納得できない。」と主張しています。
不動産を再生し、活用出来る資産(投資先)を作り出す社会的意義の高いビジネスだと思いますが課税はどうなるか見守りたいと思います。
私どもの仕事は節税を最大限行う工夫をしながら課税当局とのトラブルを起こさない工夫もしていかなければならないと思っています。なんでもご相談ください。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘