出身地や応援したい自治体に寄付すると所得税および今住んでいる自治体での住民税が軽減され寄付者の負担は2,000円で済むということで「ふるさと納税」が大変好評のようです。
昨年度、ふるさと納税で受け取った寄付額がその自治体の地方税収を上回った町村が全国で10町村もあったそうです。その町村の税収の何倍にもなる寄付があったところもあったそうです。
自治体間で寄付を呼び込もうと返礼品競争となり、本来は住民サービスに回るはずの財源が目減りしている。このような返礼品競争の過熱は制度の存廃問題に発展しかねないと心配する人もおられます。
しかし、この「ふるさと納税」は都市部と地方の税源の偏在を是正する役割をしているのでないでしょうか。
返礼品についても、地元でとれる産物を買い上げて贈っている所が多いそうですし、地元でとれるものであれば、その地方の経済の活性化に役立っているのですし、その土地の産物を贈ってもらった人はその産物を通してその地方を知ることになり、その土地のさらなるファンになってもらえるのでしたら、こんなうれしいことはないですね。
大都市だけが景気が良くなるのでなく、地方も一緒に景気が良くなり、日本全体が成長していける税制、制度をといつも思っています。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘