中小の同族会社では自分の会社の分散した株式の買取りに苦労されているオーナーが多くおられます。
創立者であられたお父様は、後を継いでくれる子供たちが相続税で苦労しないようにということで自分の持ち株を毎年少しずつ子供たちに平等に贈与をしてきました。子供たちは仲のいい兄弟だし、どの子が会社の経営を引き継ぐことになっても他の兄弟は仲良く助け合っていってくれるはずである。そのように子供を育ててきたという思いの相続税対策であったと思われます。
確かに、お父様が亡くなられた時、自分の会社は財産価値の高いものになっていましたが、その会社の株式の大部分が子供さんたち数名の方に平等に分散されており、その相続では大きな税金対策になっていたはずです。
それから何年か経ち、株主である子供さんが亡くなられたり、そこに子供さんがおられなかったりで、現在の経営者とは付き合いのない方へ株が分散していく。買取りの要請も出てくる。自分が一生懸命働き、経営状態を良くすればするほど一株の価格が高くなり、株の買い取りに多額の出費を必要とすることになる。
このような悩みや心配、苦労の相談を受け、相続税対策とか、遺産分割とか、遺言とかにあたっては自分が亡くなった時だけでなく、次の代のこと、永い将来のことまで考えてあげなければならないと、強く感じます。
相続のこと、相続対策のこと、何なりとご相談ください。一緒考えさせていただきます。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘