国税庁は今年7月1日に相続税や贈与税の算定基準となる2020年分の路線価(1月1日時点)を発表しました。ただ同時に新型コロナウィルスの影響によりインバウンド(訪日外国人)が激減し、経済活動の停滞で不動産売買が減少している状況に鑑みて、今後の地価の推移によっては路線価の減額修正することを検討する。としていました。
ところが国税庁は10月28日、本年1月から6月までの相続・贈与で取得した土地の評価で適用する令和2年分の路線価について価格の補正はしない旨を明らかにしました。通常路線価はその時点の実勢価格の80%程度となっていると言われています。今回国税庁は” マイナス20% “に届いた地域はなかったとして本年1月から6月までの相続・贈与分については、路線価の補正等はしないことを決めたそうです。ただ東京、大阪、名古屋等では19%~15%の下落になった地域があったそうです。奈良や京都でも10%前後の地価の下落が見られたようです。いずれも観光地で国内外の観光客が減少したことが影響した格好です。
このように6ヶ月で大幅に地価が下落した地域がいくつもある。その要因の観光客の減少が改善されないと、7月以降さらに地価が下落し7月から12月分の相続・贈与に適用する路線価の補正がされる地域が出てくる可能性はあると思います。
私どもは税の負担を少しでも軽くする方法はないかと税制の最新の情報を掴み活用するようにしています。何でもご相談ください。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘