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路線価6年ぶりの下落、観光地など顕著

 国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる令和3年分の路線価を公表しました。路線価とは主要道路に面した1㎡あたりの土地の評価額です。国土交通省が発表する1月1日時点の8割を目安に、売買の事例や不動産鑑定士の意見を参考に国税庁が算出しているものです。
 全国約32万地点の全国平均で前年に比べ0.5%下落したそうです。新型コロナウイルスの影響で観光地や繁華街などがマイナスに転じ6年ぶりに前年を下回ったそうです。都道府県庁所在地の最高路線価の下落も47都道府県中22都市になっています。インバウンド(訪日外国人)の増加で上昇が続いていた観光地などで反動減が目立っています。この都道府県庁所在地の最高路線価の下落率が最も大きかったのはインバウンド需要が激減した私どもの地元、奈良県でした。前年の21.2%プラスから一転、12.5%マイナスに転じています。奈良県の路線価の最高の地は毎年奈良市東向中町になっていますが11年ぶりの下落となっています。
 昨年(令和2年)の路線価については大阪市内の繁華街の一部の地域に限られたものでしたが今年(令和3年)1月に令和2年7月から9月の路線価補正を国税庁が発表し、今年4月には同じく大阪市の繁華街・ミナミの13地域で大幅な地価の下落を確認したとして令和2年10~12月分の相続税や贈与税の算定に使う地価変動補正率表(令和2年7月に公表の路線価を補正したもの)を公表しました。
 今年7月1日に公表した令和3年の路線価についても国税庁の担当者は「1月1日以降も緊急事態宣言の発令など社会経済の不透明感がある。年の途中で大幅に地価が下落すれば令和2年分と同様に補正を検討する。」と言われていたそうです。
 私どもは税法改正はもちろんのこと、このように国税庁の扱い対応の変化等も速やかにもれなく正確に掴み節税に繋げるものは活用していくことが大事なことだと思い仕事を進めています。何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘
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