個人の所得税の確定申告に係わらせていただいている方の娘さんから「父の相続等で相談させていただきたいので時間をとってほしい」との要請があり、先日ご来所いただき色々と話を聞かせていただきました。
その方は私どもで毎年確定申告をさせていただいている奈良にお住いの方の一人子である娘さんですが、嫁がれて他府県にお住まいです。最近、お母様が入院され、お父様が一人で暮らすようになったらお父様も体調を壊され、一人で暮らすのは難しいということで老人介護施設に入られたそうです。その後、お母様は病院を退院されましたが、お父様と一緒に老人介護施設に入られているそうです。
娘さんの心配は、相続ということよりもご両親の毎月の出費の心配が主なように思えました。その介護施設に2人で入って施設に支払う費用、後期高齢者医療費の3割負担、各種保険料の支払いなどを考えると月50万円はかかると思うが、それを払っていけるのだろうか。所有の不動産の売却を考えなければならないのだろうか。という相談でした。
遠い地からご両親のことを心配されて来られているのですし、他に相続人がいない一人子の娘さんですし、また確定申告書は一応見ておられるようでしたので、守秘義務の問題もないと思い、私どもが申告手続きをさせていただいている申告書の内容でわかる範囲で説明させていただきました。
現預金等の財産がどれだけあるか等はわかりませんが、年金もこれだけありますし、不動産所得が種々の経費控除後にこれだけありますので今のところ毎月の通常の出費で困られることはないと思います。今すぐ不動産を処分してどうこうということはないと思います。といった話をさせていただきましたら、ほっとされたような雰囲気で「また何かありましたら相談させていただきます」と言ってお帰りになられました。
親はなるべく子供の世話にはならないでおこう、また心配をかけないようにと思い介護施設を選ぶということだったのでしょうが、子供も自分が面倒を見てあげられないことを含め色々と心配されているのだなぁ、と深く感じました。
このような心配ごとにもいろいろと相談に乗らせてもらいながら色々な相続対策、節税対策の相談に乗らせていただいています。
何でもご相談ください。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘